2024年コロナ過後の住宅事情
2025年の住宅事情を考える上で、見逃せないポイントがいくつも浮上しています。
なかなか一言では語れない住宅事情、さまざまなご意見があると思います。
過去には不動産事情に詳しいとされる方々が、『オリンピック後の下落』『住宅不動産購入は馬鹿。賃貸の方がお得』等々、色々な事が語られていました。
識者とされる意見に流され、不動産購入を諦めた方も多いのかも知れません。
そんな中、2024年下期、顕著に動きを見せた住宅事情を以下に挙げていきます。
2024年下期の住宅事情
【賃貸】
DINKS、ファミリータイプの不足
コロナ過では少し広めのシングルタイプ需要もありました。
コロナ過後は高騰する住宅価格に、もはやペアローンでもついていけず、DINKS・カップル向けのファミリー賃貸重要が上がってきているように感じます。
都心には投資用ワンルームマンションも幾多ありますが、DINKS向けの供給が少なくワンルーム並みの賃料坪単価での成約が目立ちます。(需要>供給)
※ワンルームは1LDKや2LDKなどに比べ坪単価が高くなる傾向にある。(面積が小さいため)
転勤族、個人事業者需要
コロナ過後、転勤族の回帰に加え、昨今の副業を当たり前とする働き方のニーズが生まれているようで、システム系技術者の方々は副業を中心としている方さえお見受けします。
→住宅ローン審査には弱いが収入はある。賃貸の一部を事務所経費で落とす等の賃貸需要を感じます。
【購入・売却】
・コロナ後、首都圏回帰が始まり、郊外の不動産に関してはやはり厳しい状況が見受けられます。
・建築費高騰もかなり大きなインパクトを与えています。設備・建築資材の高騰、人件費はそのまま賃料や物件価格に跳ね返っています。
売手、買手の目線に寄りますが、建築高騰の影響で、土地仕入れにお金が回らない業者の多くいるようです。
デペロッパー・仕入業者は、土地価格と建築費高騰のバランスを保つ出口戦略に試行錯誤しています。
動き続ける不動産業界、興味を持って見ていただくと経済の動きが見えて本当に面白い業界です。
住宅用不動産購入は低金利でレバレッジを効かせる投資の側面があるのも事実です。よって、不動産購入に踏み出せない方も多いのかと思います。
コロナ前の不動産価格を覚えていて、上り続ける不動産価格に、『いま買う判断が出来ない』というお客様もちらほら、、
とはいえ、突き詰めると『家族と過ごしたいお家が欲しくなった時に買う』が正解なのかも知れません。
これ、実は長きに渡り不動産業界を見てきた私の自論です。
渡邊
渡邊 紳一
大手不動産グループにて資産管理・用地仕入れ・仲介売買業務等の業務に従事した後、独立。その後も都市再開発不動産事業に積極的に取り組む。
若い人の負担を軽減し不動産購入を促進させる事により「日本経済を活性化させる」をモットーに、仲介手数料無料で行えるTICサービスを発足する。